おすすめの本RECOMMEND
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?
2021/11/10 更新
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
フィクション
月夜の森の梟
著者:小池真理子
出版社:朝日新聞出版
作家の小池真理子さんが、同じく作家の夫、藤田宜永さんを亡くし、その後の思いを綴ったエッセイです。
大切な人との別れを、乗り越え克服するのではない、ただ悲しみとともにある日々が綴られます。
別れの後も、今までと変わらず日々のほんのささいな場所に、当たり前に愛があり続ける日常が静かに描かれています。
そのままでいいんだ。
わたしが大切な人を残して去ったとしても。先に失ってしまっても。
どうかそれまでと同じ、わたしたちの時間や心があり続けてほしい。
これからも人と深く関わり合うことを恐れずに生きたいと思いました。
静かで、きれいで、ずっと続いてほしい。お二人の物語です。