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本さえあれば、日日平安

本さえあれば、日日平安

長迫正敏がおすすめする本です。


本さえあれば、穏やかな日日。ほっこりコラム連載中です。本好きのほんわかブログ・「本さえあれば、日日平安」
本好きの、本好きによる、本好きのための“ほんわか”。一日を穏やかに過ごす長迫氏のおすすめ本はこれ!

2021/11/20 更新

本さえあれば、日日平安


長迫正敏がおすすめする本です。


フィクション

しろくまのパンツ

著者:tuperatupera

出版社:ブロンズ新社

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しろくまのパンツ

「わ~懐かしい!この絵本まだあるんじゃね」
「どれ?あっ、ほんまじゃ~」

児童書売場でよく耳にするこの会話。ベビーカーを押している若い夫婦、お孫さんへのプレゼントを選んでいる年配のご夫婦、学生カップルのこともある。
それぞれ年齢は違えども、そんな話をしている皆さんは必ず笑顔だ。とても微笑ましい。

先日も「これ幼稚園のときによく読んだ!懐かしい~」の声が聞こえてきた。振り向くと小学校低学年といった感じの男子だった。
その時ばかりは失礼ながら、つい笑い声が出てしまった。

でも8歳前後であろう彼にとって、幼稚園児だった3、4年前といえば大昔だ。なにせ、これまでの人生の約半分なのだから。
自分に当てはめて考えるとアラサーの頃だ。確かにずいぶん前だと分かる。彼の言葉に納得した。

彼は平台や面陳の絵本を次々と指さし「懐かしい~」を連発した。そして「これ読んだ。これも読んだ。あっ、これ持っとる!」と興奮気味だった。かなりの読書家の様だ。書店に来てこんなにハイテンションになるなんて、なんて素直でいい子なんだ。
でも、「これ借りてもいい?」と両親に聞いていた。残念ながらいつもは図書館を利用しているらしい…

そんな彼が、「懐かしい~」といった中の1冊に、『しろくまのパンツ』(ブロンズ新社)がある。

「どこにいったんだろう?」 パンツをなくしてこまっているしろくまさん。そこへ、心配したねずみさんがやってきて、いっしょにパンツをさがしにいくことに。しましまのパンツ、かわいい花がらのパンツ、へんてこりんな水たまのパンツ......物語のラストには、あっとおどろく発見が!

この絵本は、しろくまの赤いパンツを脱がせないと読めない。思い出した。小学生の頃によく見ていた、寝てみる方の夢を。
水泳の授業が終わり着替えようとしたらパンツがない。慌てて水着をもう一度はき直そうとするとそれもない。えっ!と思っていると腰に巻いていたはずのバスタオルもない( ̄▽ ̄;)

すっぽんぽんのポ~ン
いま思い出しても恥ずかしい。夢なのに。

「夢」、「診断」、「パンツ」と打ち込んでネットで調べてみた。夢占いのページが現れ、良いことも悪いことも書いてあった。下着だけに下ネタが多かったが・・・
なかには、パンツ(下着)の夢は“本音”の象徴だとするものもあった。“自分の本音を吐き出したい願望”があるそうだ。これは何となく当たっているように思う。
「懐かしい~」と屈託なくはしゃげる彼と違って、私は引っ込み思案でネガティブな小学生だった。だからそんな夢を見たのかも知れない。子どもだからといって、みんな明るく元気とは限らない。いまでも、そんな子どもはいるはずだ。

いつの時代も、子どもにはお菓子とお笑いが必要だ。クリスマスには、笑える絵本を贈ってあげてはどうでしょう?
先日、NHKの「あさイチ」に出演された湊かなえさんが、『パンダ銭湯』(絵本館)を紹介されていた。作者は、この『しろくまのパンツ』と同じtupera tuperaさん。もちろん笑える。2冊一緒にいかがですか。

また現在『しろくまのパンツ』は、赤いサンタ帽をかぶったしろくまが表紙のクリスマスバージョンも販売中です。プレゼント包装も承れます。ただクリスマスバージョンは数に限りがありますのでお早めに!

来年の夏に還暦を迎える私は、その時が来たらこの絵本のしろくまのような赤いパンツをはこうと思っている。もちろんカープの赤パンツでもOKだ。ちなみに私のサイズはMです。
あ~ありがとうございます。こんなん、なんぼあってもいいですからね!

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