今年のYahoo!ニュース本屋大賞「ノンフィクション本大賞」受賞作。沖縄生まれの著者は現在、琉球大学の教授として10代で母親になった若い女性への聞き取り調査や支援に携わっており、本書は彼女の経験談やこれまでのインタビュー、そして愛娘との日常をエッセイとしてまとめた１冊。
普天間基地の騒音、辺野古への基地移設、米兵少女暴行事件といった沖縄が抱える問題、そして性暴力に苦しむ若い女性たち・・・著者の憤りを含んだ重い内容でありながら抑制を効かせ淡々と綴られた文章に胸を打たれ、最後の最後に本書のタイトルの意味を知ることになります。
書店員として失格ですが、口軽く「オススメします」と言えない本。「感動」「泣ける」といった常套句を使うことが憚れます。ただ、多くの人に読んでいただきたい。特に「治安も良くて平和な日本が世界で一番！」って思っている若い世代の方々に。