プロ野球・新庄剛志氏が日本ハムの監督就任会見で語った「優勝は目指さない。1日、1日、地味な練習を積み重ねてシーズンを迎えて、何気ない試合、何気ない1日を過ごして９月になって優勝を争えるポジションにいたら頑張る」という、派手なパフォーマンスと真逆の発言に驚き、本書にそれに近いものを感じました。

この本にレシピはほとんど載っていません。様々な家庭料理をお茶の間に届ける著者が「毎日の食事はご飯、味噌汁、漬物だけで良い」と考えるその哲学や思想を、テレビのままのあの優しい口調で語ります。

コロナが少し落ち着き、しばらく我慢していた外食や豪華な料理に舌鼓を打ちたいこの年末年始。日本には古来から「ハレ」と「ケ」という概念があるように、特別な日の「贅沢」と日常の「慎ましさ」のバランスを考えさせられ、気持ちよく身が引き締まる１冊。