CMは宣伝したい商品やサービスを視聴者の脳裏に刻み、好感を生むメッセージを短時間でどれだけ届けられるかが勝負の世界。本書は「au三太郎」、「家庭教師のトライ」等の大ヒットCMを手掛けた著書による「伝え方」解説本です。
　彼のCMがたった15秒で想いを伝え愛される秘訣が「共感を生む仕掛け＝共感スイッチ」。本書では8つの「共感スイッチ」を紹介しています。「鳥取」「次男」「国立大」といった彼の生い立ちに因んだ変わった名前のスイッチもありますが、読めばどれも納得させられます。
　売れっ子CMディレクターというと業界の最先端を走る、尖った感性の持ち主と思いきや、読み進めると「正直に普遍的なおもしろさ」を狙っている人だと分かります。誰もが知っている背景を活用して、そこから少しズラして意外性を生み出し記憶に留めてもらう。特殊なテクニックを使わずとも「伝える」ことは出来ると教えてくれる1冊です。