何ものにも束縛されない、何ものをも束縛しない。自分自身の生のためだけに生きる。
そんな世の中が実現するのだろうか？本書は、戦前から平成に至る日本のアナキズムを、各時代の代表的な活動家の文章を取り上げながら紹介したものです。社会のなかで虐げられてきた人々の叫びが続くような内容を読み進めて、大正の昔からアナキストたちが過激に訴えて変えようとしてきた世の中は今も何も変わっていないことに気づく一冊であります。自由を渇望しながら、どんなに不条理なことがあっても、結局「ヒト」は人を使って使われて生きていくほかない生き物なのでしょうか。