昨年９月に亡くなられた女優・樹木希林さん。「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」といった往年のテレビドラマから、「万引き家族」「日日是好日」といった最近の映画まで幅広く活躍されました。私個人的には富士フィルムやピップエレキバンのテレビＣＭが深く印象に残っています。
　本書は彼女が生前に様々な媒体で語ったり記したりしたものを１冊にまとめたものです。彼女の「おごらず、人と比べず、面白がって平気に生きればいい」という生き方が端々に散りばめられています。樹木さんといえば「ロッケンロー！」内田裕也さんとの独特な結婚関係が取り沙汰されますが、本書を読むと内田さんの至極ピュアな所に彼女が寄り添い通じ合っていたことがよく分かります。
　表紙の写真は生前の彼女が一番気に入っていたものだそうです。このなんとも言えない笑顔が彼女の人生そのものを表しているように思えます。