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本さえあれば、日日平安
長迫正敏がおすすめする本です。
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本好きの、本好きによる、本好きのための“ほんわか”。一日を穏やかに過ごす長迫氏のおすすめ本はこれ!
2022/08/05 更新
本さえあれば、日日平安
長迫正敏がおすすめする本です。
ノンフィクション
気象予報士に挑戦! お天気クイズ②天気のしくみと生き物
著者:勝丸恭子
出版社:小峰書店
気象予報士 勝丸恭子さんの「トークショー&サイン会」でのことである。
場所はBOOKS PLUS 緑町の「BOOK MEETS COFFEE」。始めるにあたって司会をされていた小峰書店の編集の方が、「最後に勝丸さんへの質問コーナーがありますよ」と言われたのだ。
こんなチャンスはめったにない。いつもは一方的にTVで見ているだけの勝丸さんと会話ができるのだ。
オジサンはひらめいた。
「雨の日と、曇りの日と、晴れの日、どれが一番好きですか?」
ジブリ映画「おもいでぽろぽろ」の有名なセリフをパクって・・・いや拝借して質問しよう!
勝丸さんが登場。みんな拍手でお迎えした。
「本当に本人が来ているのかわかりませんよね」と少しだけマスクを外されてのピースサイン。
お茶目な姿にオジサンはときめいた。
勝丸さんのお話は、本を作る過程で工夫されたところ、苦労されたところ、いわゆる制作秘話だ。
例えばクイズを作るにあたって、正解以外の選択肢を考えるのが難しいと言われていた。
話をお伺いしながら、その時に購入した2巻『天気のしくみと生き物』の頁をめくってみた。
Q23 「アサガオのひみつ」 アサガオの花が朝早くさくのはなぜ?
ア・たっぷり寝たから イ・日がのぼったから ウ・気温が上がったから エ・のどがかわいたから
確かにどれも正解に思えた。ページをめくり解説を読む。なるほど~と納得する。
Q49 「V字のなぞ」 冬になるとやって来るハクチョウやカモ。なぜV字になって群れて飛んでくるの?
ア・数が多く見えて、敵におそわれないから イ・えさを見逃さないから ウ・かっこいいから エ・らくちんだから
ここでは言えないが、意外な答えだった。
この様なクイズが50問、とにかく楽しくて役に立つクイズが満載だ。
トークも終盤、質問コーナーに移った。
最初の方は線状降水帯について、その次の方はエルニーニョ現象についてのお訊ねだった。
私がお伺いしようとしていた「雨の日と、曇りの日と、晴れの日、どれが一番好きですか?」は、子どもっぽくないか?
考えるまでもない。この質問は小学生、それも男の子がちょっぴり恥ずかしがりながら訊くから絵になるのだ。
オジサンは悔しかった。なぜ自分はオジサンなんだ・・・
いや、まだチャンスはある。サインをして戴くタイミングで個人的に聞いてみてはどうだろう?
カフェでアイスコーヒーを味わいながらその時を待っていた。そう、オジサンの夏といえばアイスコーヒー、大阪的に言えばレーコーだ。
ちなみに「おもいでぽろぽろ」は1991年7月公開。私はこの映画を妻と、そして、その時には妻のお腹の中にいた娘と一緒に観た。
夏休みに妻の実家へお里帰りしていた時だ。鳥取県米子市の映画館だった。
以前もコラムに書いたことがあるが、私にとって鳥取といえば夏だ。大山、皆生、境港、記憶の中ではいつも晴れだ。
だが妻にとっての地元は曇り、そして雨や雪の印象が多いようだ。
調べると瀬戸内地方と比べたら確かに曇りの日が多く、その傾向にあるらしい。
といっても気候と性格に類似性はない。それどころか妻の方がカラッとした明るい性格で、好き嫌いがハッキリしている。言いたいことを言い表に出ていくタイプ。そして私は真逆だ。
そんな私の順番が来た。丁寧にサインをして下さっている勝丸さんを前に、いま声をかけたら邪魔にならないだろうか・・・
と迷っているうちに書き終わられた勝丸さんが立ち上がり、深々とお辞儀をされた。
「ありがとうございます」
といっただけで結局、訊けなかった。
次にお会いする機会があれば必ずお伺いしたい。
「雨の日と、曇りの日と、晴れの日、どれが一番好きですか?」
ちなみに妻は、暑くてジメジメした日は嫌い、それ以外が好き。
でも季節が変わったら答えも変わるかも・・・