どんな場所でも。
どんなことが起きても。
どうやったって空に向かって立つ野の花のような女たちに圧倒されました。
読んでいるこっちが幾度となくせりあがってくる涙に胸がつぶれそうでも、花たちはそしらぬ顔であっけらかんと咲く。溝の中からでも、引き抜かれて投げ置かれた先でも、アスファルトを突き破ってでも。

そうか、わたしたちは、こんなにも強いのか。

根付いた場所が日向じゃなくても、日の光の射すのがほんの一瞬だとしても。
そのぬくもりのほんのひとかけらを、一生を走り切る力に変えることができる。

どちらにせよこんなんなら笑って生きてってやろう。
読み終えた後、どうしても前を向いて歩きだしてしまう物語です。