平成が終わり令和となりました。様々な分野で画期的な飛躍があった平成の30年間ですが、この本のテーマであるDNA解読の技術進歩はこの間目覚ましいものがありました。著者は、DNA解読の最先端の研究成果をもとに、人類の歴史を新しい視点で見直してみようと試みます。遺伝子に刻まれた人類の歴史をミステリー小説のように解き明かしていく語り口は、科学的な記述の難解さを吹き飛ばして、読むものをビッグヒストリーの中に引き込んでくれます。そして、理系・文系を超えた「知」の愉しみを存分に味合わせてくれます。