資本主義的市場競争は、能力や運や資源の格差をさらなる格差に変換する。
そんな世界は、つらい。
複利の魔力が組み合わされば、格差は時間とともに深まる一方で、つらさが増す。

このつらさを忘れるために人が引っ張り出してきた鎮痛剤が、凡人に開かれた民主主義なのだろう。
21世紀はこのふたつの躁鬱的なバランスが崩れて、ただの躁になりかけているという。
資本主義が加速する一方で、民主主義が重傷と思えるとも。
実際、民主主義は後退しており、今世紀に入ってから非民主化・専制化する方向に政治制度を変える国が増えてきた。
今や民主主義は世界のお荷物なのだろうか？
数十年前までは、問題を解決する具体的で技術的に実現可能な代替案がなかった。
しかし、今は意思決定のために使える情報・データの質量や計算処理能力は桁がいくつも変わってきた。
アルゴリズムを支えるアイデアや理論も貯まってきた。

本書は、それらを繋ぎ合わせて民主主義更新のためのサバイバルマニュアルだ。
民主主義とも選挙とも政治とも関係ない。ウェブビジネスから教育・医療政策まで幅広い社会課題解決に取り組む著者による、限りなく実現可能な民主主義の未来予測本です。