第二次世界大戦末期、東条英機首相からの特命を受け内モンゴル・河西回廊を経てチベットに潜入した日本の諜報部員、西川一三。
敗戦後も孤立無援のままラマ僧に扮し１９５０年に収監されるまで死線をさまよう過酷な体験を重ねました。帰国後は森岡で元旦以外３６４日休まず生業に従事し、２００８年に逝去。
　本書は約１年にわたり重ねられた本人へのインタビューと西川の著作『秘境西域八年の潜行』をもとに稀有な旅人・西川一三その人を描く長編ノンフィクションです。
掲載誌『新潮』8月号が完売するほどの反響を受け発売前から話題を呼んだ本作。
『深夜特急』など「旅」を主要テーマにもつ著者が西川に共鳴し、その人生と旅をまとめるー新たな金字塔の登場といえるかもしれません。