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三島政幸 がおすすめする本です。


啓文社全店のスタッフが不定期に更新する「スタッフおすすめ」コーナー。 最新書き込みから順次表示しています。

2023/02/28 更新

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西条店

三島政幸

がおすすめする本です。


ノンフィクション

じゃむパンの日

著者:赤染晶子

出版社:palmbooks

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じゃむパンの日

赤染晶子さんのエッセイ集『じゃむパンの日』を知ったのは、2022年11月に放送されたTBSラジオの番組「アフター6ジャンクション」(通称:アトロク)でした。
この番組は、月曜~金曜の18時~21時に毎日生放送している「カルチャー・キュレーション・プログラム」。MCは日本を代表するラップグループ、ライムスターの宇多丸さん。曜日ごとにTBSアナウンサーなどがパートナーを務めています。毎日のように、映画・音楽・本・ゲームなどのディープな情報がてんこ盛りの番組で、関東地方でなくてもポッドキャストでほぼ全編が聴くことができます。私も毎朝、前夜放送のポッドキャストを聴くのが日課です。

その「アフター6ジャンクション」で昨年秋に放送された「アトロク秋の推薦図書月間」で、数々のゲストが一押しの本を紹介するシリーズがあったのですが、ここで、翻訳家・エッセイストの岸本佐知子さんが「世界一、いや、宇宙一面白い」と絶賛された本が、『じゃむパンの日』なのです。

赤染晶子さんは、2010年に『乙女の密告』で芥川賞を受賞された作家さんですが、2017年に亡くなられています。亡くなられるまでに「群像」「新潮」「京都新聞」などに掲載されたエッセイを集めた本ですが、これがとにかく面白いのです。
なにがどう面白いのか、は説明が難しいのですが、「ほら私、面白いこと書いてるでしょ!」みたいなアピールが全くなく、淡々と、客観的な視点で、そしていたって真面目に、なんだか妙な体験談が綴られているのです。時々急にやってくる妄想癖も最高に妙で可笑しいのです。

『じゃむパンの日』は新しく誕生した一人出版社「palmbooks」さんが最初に出版された本です。この面白さをみんなに伝えたかった、という思いが伝わってくるような本です。

啓文社西条店では、『じゃむパンの日』などの、「アトロク秋の推薦図書月間」で紹介された本や関連本を集めた「アトロク・ブックフェア」を開催中です。終了時期は未定ですが、3月中までは開催しています。中国地方では西条店だけ。ほかにもお薦めがたくさんあります。私が昨年ここでおすすめした『プロジェクト・ヘイル・メアリー』もフェア対象本です。ぜひ、覗いてみてくださいね。

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