恥ずかしながら人の名前が覚えられない。
しかし自分と同姓同名なら忘れないし例えば同じ名前の芸能人がいたら興味がわく。

この小説は、白野真澄（しらのますみ）が主人公の五編からなる短編集。
五つの話は交錯することはなく年齢、性別、居住地まったく別人の白野真澄五名の物語。
それぞれの白野真澄の人生を垣間見ながら、間違いなく姓名判断では同じ占いの結果がでるであろうが少なくともこの五人に共通する未来があるようにはみえない。

第一話の名付けに悩む妊婦に助産師の白野真澄は言う。「完璧な名前げな、この世にはなかですよ。名前をつける側にできるのはこれでいくと覚悟を決めることくらいじゃなかとですか？その覚悟こそが愛情なんですよ。」

　一生ついて回るのに自分の名前は自分では選べない。しかし生きる道は自分で選べる。

それぞれの白野真澄に勇気と元気をもらえる。ぜひご一読を。