好きになってしまいました。

このタイトル。

著者の大好きなものでいっぱいの本だと思ったでしょう？
合っている、けれど少し違う。

なめくじ、蟻、野良猫、入浴剤、即身仏、温泉、法事、手ぬぐい…。
これはいったい何のあつまりだろう。
困難の中に妙な面白を。日常の中に唐突な不穏を。
見ようによっては何もかも『キュン』なのだ。
笑えて、なんだか泣けてくるほどだ。
観葉植物にたかる蟻との攻防戦が、こんなに笑えて、なんだか美しいなんて。
このエッセイを読んだあと、ふと顔を上げると、わたしの日々の面白さ、色鮮やかさにびっくりします。
しをん・アイを手に入れてしまった！！

怒りと悲しみに満ちた日々を送るのは簡単なことです。ただ毎日を無加工で眺めればそんな感想しかわいてこない。
少しの訓練で見えてくる３Dの絵のように。凸と凹が入れ替わる。
そんな体験を、この本はお約束します。

ちょっと抜け感多めの『枕草子』のような…？？

三浦しをんさんを、ますます、好きになってしまいました。