６つのパラレルワールド「レイワ」を舞台に、6つの架空法律を描いた短編集。
全作品に共通するのは、社会の「当たり前」に疑義を唱える主題です。
　非現実世界の物語のはずなのに実際に起こり得そうな、どこか他人事とは思えない気持ちにさせられ読了後、圧倒されました。
中でも４話目「健康なまま死んでくれ」は、労働者の健康を守るための法律が制定された世界が舞台。コンプライアンスを守らないと自社の株価に影響するため「わが社は従業員の健康管理を遵守している！」とクリーンな企業像を掲げているように見せているが、ある日事件が発生、そこから物語は急展開！
　「法律とは一体誰のためにあるのか？」と読者に問いかけ、法律×ＳＦという装置立てで社会に鋭く切り込む、新機軸の１冊。
おすすめの力作です！