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三島政幸 がおすすめする本です。


啓文社全店のスタッフが不定期に更新する「スタッフおすすめ」コーナー。 最新書き込みから順次表示しています。

2023/05/29 更新

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三島政幸

がおすすめする本です。


ノンフィクション

本屋、ひらく

著者:本の雑誌編集部

出版社:本の雑誌社

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本屋、ひらく

いま、本や書店業界の話をすると、いい話はほとんど聞かれません。大きなチェーン書店でも閉店が続き、取次などの子会社になっている書店も多いと聞きます。私たちだっていつどうなるか、分かりません。
一方で、「いや、本屋は増えているよ」という話も聞きます。ここでいう本屋とは、個人が経営する書店が多いと思います。大きな規模の書店チェーンの場合は、従業員全員の雇用を守る必要があったり、家賃などの費用がかかるため、存続させるのも大変です。しかし、個人が目の届く範囲での運営をしていくだけなら、そのハードルは低いのかも知れません。
かつては書店を開店しようと思えば、取次口座(番線といいます)をもらうだけでも大変で、個人ではとても無理だったと聞きますが、最近は以前よりは開店しやすくなったのだそうです(といっても大変なのは変わりないでしょうが)。
本の書評誌「本の雑誌」でも2021年5月号で「本屋がどんどん増えている!」という特集が組まれました。そしてその本の雑誌社が満を持して出したのが『本屋、ひらく』という本です。

『本屋、ひらく』は、ここ数年で新しく本屋を開業した22人の話がまとめられています。なぜ本屋だったのか、開店までの日々と本屋を初めてからの日々について、それぞれのエピソードが語られているのです。大変だと言われる本屋をなぜ開くのか、その想いを読むにつれ、自分も老後は本屋をやるかな、などと、夢想したりもしています。
お金と場所があれば、ですけどね。

本書で登場する22の本屋のうち、私が直接伺ったことがあるのは、たったの2店舗しかありません。うち、「本は人生のおやつです!」は、大阪の中崎町と堂島時代しか知らず、今の兵庫県朝来市のお店には行けておりません。なので、本当に行ったことがあるのは、今年の始めにお邪魔した名古屋の「TOUTEN BOOKSTORE」だけです。
あと名前だけ知っているのも「汽水空港」など数店舗しかありません。自分の書店感度の低さを反省するばかりです。本書を手に全国の本屋を巡り、店主のサインをもらう旅をやってみたいものです。

いくつか挿入されている「本屋について語る」も参考になる話ばかり。特に、すずきたけしさん(いつもお世話になってます)の「持続可能な本屋を商うために」は、今の書店運営の目線でも参考になりますし、「一冊!取引所」の渡辺佑一さん(こちらもお世話になってます)の仕入れのノウハウも参考になりますよ。

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