なんでこんなに長い間、本屋で働いているんだろう。
答えはこの本に全部書いてありました。

本屋、図書館、図書室‥その他どんな施設でも書籍コーナーや本棚の影を見つければそこに避難する。
学校でみんなと同じ足並みがどうしてもできない。
みんなの会話や遊びに入っていけない。
世界が、大なわとびのように絶え間なくわたしを急かし続けていて、勇気を出して飛び込んでも100%引っかかってしまう。

でも本は、いつでもわたしを待ってくれる。ついていけなければ一旦閉じてもいい。何度読み返してもいい。
本のあるところはいつでもわたしの避難所でした。

大人になっても相変わらず、世界とテンポは合わないけれど、誰とも話のできなかった子どもは、本の話ならいつまでもできる迷惑な大人になりました。

今でも、世界の速度についていけない時、本はいつでもわたしを待ってくれています。
そして、わたしたちもいつでも本屋で待っています。
生きるための必需品ではないからこそ、いつでも気の向いたときに来てくれていい場所。
なんの用事がなくても、きっとなにかが見つかる場所。
それを探すお手伝いができるので毎日とっても楽しい。

楽しいからずっといます。