おすすめの本RECOMMEND
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?
2023/07/23 更新
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
フィクション
悪魔のコーラス
著者:モモコグミカンパニー
出版社:河出書房新社
息つくひまもなく、次から次へと現れるやばい人たち。
でも、意味なくやばいにんげんなんて、いない。
クラスメイトも教師たちも親たちもみんな傷つき、秘密を抱え、苦しみの果てに…。
いや、
それにしたって、
みんなやば過ぎる!!!
理由があったとてわからないよ!!!
終わらない悪夢です。叫んで飛び起きた後、目を覚ましてしまった事を後悔するくらい現実が悪夢。
なんなら一番わからないのは主人公の透花ちゃんです。
どこまでこの悪夢に耐えるの!?そのタフさとガッツはどうしたの?
『戦慄と感動の学園サスペンス』って、最後まで戦慄しっぱなしでした。感動…いや戦慄&戦慄!
中学校って、一番悪夢の舞台になりやすいと思います。
とにかくむき出しの魂をかばいもせずに削り合う、手加減を知らない『悪魔』の世代。善悪を知らないただ膨大なエネルギーが渦巻く場所。
やばいが幾重にも重ねられて生み出されるハーモニーは、なぜこんなにせつないのだろう。
きっと、悪魔のコーラスは、天使のそれに引けを取らないものなのでしょう。
がっ、と腕を掴んで引きずり込んでくる小説でした。