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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2024/04/08 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

みどりいせき

著者:大田ステファニー歓人

出版社:集英社

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みどりいせき

小説を読み出した、というより頭の中に誰かが棲みついて喋りだした!かのような感覚。
「僕」の目の動き、フラッシュバックのように溢れ飛び出す思い出と今、一挙手一投足まで感じられて文体に合わせて体も揺れだします。
文体にのるのにちょっとコツいったけど、走り出したら最後まで一気読みでした。

それにしても、10ページ目で最初に検索かけてからスマホでいたる言葉をクグりまくりでした。
あまりに闇バイト関連の用語?スラング?を調べまくるので厚生労働省の大麻のサイトがしばしば出てくるようになってしまった…いやちがうの!!興味があるわけではなくって、だいたい分かる…よりもっとピッタリと正確に全部の言葉の意味に腑におちたくて。重い言葉も軽い言葉も手にとって確かめたくなる。そんな文章です。

十代の頃読んだ「トレインスポッティング」の疾走感を思い出しました。
「今」はこんな風なんだ。
高校生たちの、無敵感から絶望や厭世や万能や連帯へと移り変わる色とりどりが、なぜかとてもあたたかくひかりに溢れているようにみえる。
そうか、わたしが、どうか彼らにひかりに溢れる場所にいて欲しいと思っているのかも。

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