毎回作家陣のセレクトに定評のある　だいわ文庫のおいしいアンソロジーシリーズ。

特に今回は私の為かと錯覚する豪華メンバー！中島らも、爪切男、麻布競馬場、なんといってもシソンヌのじろう氏のエッセイが読めるのが嬉しい。
今回のテーマは「喫茶店」。
じろう氏の故郷、弘前のお気に入りの店が目の前に浮かんでくる。
頑固マスターに緊張しつつ、ホッとできる場所。喫茶店愛だけでなく地元愛も伝わってくる。

私は小学生の時に初めて喫茶店に家族で入った。旅先だった。
煙草が香り大人の世界に触れた気がし、焦ってモーニングのトーストを頬張ったのを思い出す。

　珈琲は気軽に家でも飲めるが、味を追求すれば限りなく深遠なもの。
そんな至福の一杯と自分だけの居場所。
あるいは誰かと話したり勉強したり仕事の合間、気分転換としての空間。
ここにはそんな40人40色の癒しに包まれる薫り高いくつろぎの話が凝縮している。