『ストロベリーナイト』など数々の傑作を世に出してきた誉田哲也の最新作です。

高名な大学の客員教授が殺人事件で逮捕。この事件の裏に含まれる思惑と陰謀とは？
その教授を取り調べる主人公の刑事が良い！

小説の刑事といえば偏屈だったり一匹狼だったり天才や熱血、読んでいて引き込まれはするものの、中々共感はしづらいですよね。

本作の刑事は年頃の娘に頭があがらず、妻との仲も平穏、その凡庸な印象を受ける刑事の誠実さが取調室での経済講義に発展していきます。

財務省の企みを解き明かす教授との講義内容は難しくもありますが、経済素人の刑事や読者にも理解できるようストーリー展開していきます。

首木とは、家畜に車を引かせる横木。実は我々は知らず首木をはめられている―
そんな恐ろしいメッセージも含む小説です。