第171回芥川賞候補作品です。
7/17発表です。もうすぐ。


四年前に死んだ友だちから電話がかかってきた。
あの時に終わったはずの、永遠になったはずの友情が解凍されて、その先は。

そうだね。そうなんだよね。命って、いきるって、耐えられないくらい重くてしんどい。抱え続けたままもう一歩も進めないんじゃないかというくらいに。
どんなに好きでも、親友でも、姉でも妹でも親子でも、ありのままで受け入れてもらえる場所なんて本当にあるんでしょうか？どこにいてもわたしの椅子は用意されていない。その場で必要としてくれそうな人に向かってほほをひきつらせながら近寄っていくことの繰り返し。
繋がれたように思えたその手は、振り払われようとしているのか、引きずり下ろそうとしてくるのか、ただすがり付いているだけなのか。わたしが？どちらが？

この物語の中で、わたしが、あのこが、あまりにも生きてて、生き続けてて、苦しかった。