おすすめの本RECOMMEND
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?
2024/08/26 更新
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
文庫
マクベス
著者:シェイクスピア 訳:安西徹雄
出版社:光文社
「ヘエエエイ、マクベース!」
「ヘエエエイ!」
まず、三人の魔女、こわ!
不気味にしゃがれた声で次々に呼びかけてくる。
めちゃくちゃ邪悪っぽい、これ絶対に耳を傾けたらダメなやつでしょ…。
でもやっぱり物語は悪に傾き破滅へと進むのです。
マクベスも知らずにいた心の中の闇を、魔女たちに暴かれて。
マクベスもマクベス夫人もその罪に追い詰められていく。敵は欺けても自分の心からは逃れられなくて、内から外から追い詰められてゆく。
あの魔女たちと出会わなければ、マクベスの暗い野望は眠ったままだったのだろうか。
マクベスがすがるもの全てがもう破滅への招待券で『マクベス!それ、フラグ、フラグー!!』と、わたしは手を振ってマクベスを止めるのですが、全然だめ。運命強すぎる。
あと、マクダフとマルコム王子のやりとりで『えええ!!』
と笑ってしまった。そんな問答面白すぎますって。
あと、マクダフの息子、こういう子なんだ。なるほど。なるほど!!
しばらく夫とすれ違うたびに『ヘエエエイ、マクベース!』と、呼びかけています。声に出して読みたいシェイクスピア。他にも言いたいセリフがいっぱいです。