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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2024/08/28 更新

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井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

少女マクベス

著者:降田天

出版社:双葉社

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少女マクベス

物語の舞台は女生徒だけの演劇学校。
俳優や舞台制作を志す少女たちが全国から集まるその場所で、「神」と呼ばれる劇作家志望の少女が転落死した。
そして、翌年。
ある新入生が、彼女の死の真相を調べるために入学した。

強い光が、少女たちの目を眩ませていく。
まぶしい、すごい、うらやましい、ねたましい…。
難関をくぐり抜けて来た才能あふれる少女たちのほとんどは、入学後、次々に打ちのめされていく世界。

「神」と呼ばれた劇作家志望の天才少女、設楽了を追いかけ追い付こうとしていた結城さやか。
そして、設楽了の死の真相を調べに来た。という謎の新入生、藤代貴水。
生真面目で頑固なさやかと、不思議な魅力と存在感を持つどこかのんきな明るさを持つ貴水。
つんつん&にこにこコンビ最高です…。
そして俳優科の華やかな少女たちの輝きとその裏の苦悩。演劇へ全力をぶつけられる者ばかりではない、周りの才能に打ちのめされることもある。羨望のあまり真実が捉えられなくなっていく。
みんなが「神」と見る了を「ライバル」として必死で食らいついていくさやか大好きです。
神に挑むその姿、自分を信じ抜く熱量に突き動かされて一気読みしてしまいました。
少女たちみんなの野望や絶望や嫉妬や羨望や諦めや希望や怒りが、もうとにかく輝いています。
百花演劇学校の定期公演観たい!!
輝きに圧倒されたい!!心を燃やし尽くされたい!!

そしてこの小説を読むと、シェイクスピアの「マクベス」が気になって読んでしまいました。
より「少女マクベス」がおもしろくなりました!
マクベスーー!!

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