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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2024/10/07 更新

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井上いつかがおすすめする本です。


文庫

悪党 上・下

著者:稲田幸久

出版社:角川春樹事務所

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悪党 上・下

『合戦』の稲田幸久!!
って、勝手にお呼びしています。
「駆ける」でも熱かった合戦シーンの鮮やかさがすごい!!
ドローンが舞い踊るようなダイナミックな目線の映像が頭の中に再現される驚き。

あとあと、やっぱり関係性萌えがすごいんです。
『邂逅』の稲田幸久!!
ってお呼びしてもいいでしょうか?
ライバルとの、友となる者との、最初の出会いの一瞬。
もーそこがまたいいんです!邂逅の一瞬に全てが込められていて…エモい!!
楠木兄弟もいいし、仲間達との信頼感もいいし、敵でさえも認め合う関係、全部いい!

またしても日本史ぜんぜん詳しくないのに今度は鎌倉時代。読むごとに名前や言葉を調べながら進みます。
悪党って…そういう意味なの!?へぇ~。(無知すぎ)
検索し過ぎてうっかりWikipediaさんにネタバレ(史実)を食らってしまったり。(無知すぎ)
でもなんか知ってる。最近このあたりのお話を読んだような。
あ!「逃げ上手の若君」だ!あの漫画のあちら側からの話だ!
時行様も『悪党』の世界の中に…!??

色々な角度から見ると歴史は何倍も面白く、立つ場所によって全然違う景色が見えます。
遠い過去の話を読んでいるのに、いつの間にか今のわたしたちに、この世界と繋がっている。
彼らは遠い未来であるわたしたちを真っ直ぐに見つめて、直接問いかけてきます。

『逃げ上手』と『戦上手』
ふたつの物語を読み比べてみるのも面白そう。
いや!「悪党」の楠木正成がめちゃくちゃかっこいいので、「逃げ若」の楠木正成はちょっと封印しとこうかな…。



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