福山市主催の「ばらのまち福山ミステリー文学賞」は今年の10月、はや第17回の受賞作が発表されました。
新作の長編推理小説が選ばれ、選考委員長は福山市出身の島田荘司先生。
愛のある丁寧な選評でも定評があります。　　　　　　　　　　　　　　　　　　
その第10回の受賞作がこの度、待望の文庫化！主人公は元警官で、今は探偵業をしている梓凪子。
話は姉の息子の葬儀のシーンから始まる。
そこで姉に、自殺とされている息子の死の真相を調べてほしいと依頼されるのです。
この実姉を蛇蝎のごとく嫌っている凪子。
話をしているだけでカッとなり大喧嘩。
しかし調査すると決めるや一転、頭をフル回転させ”“破れた中敷き”という何気ない表現から伝わるように丹念に聞き込みをし、状況を調べ上げる。
クールな仕事ぶりにグイグイ引き込まれる。
虚栄の学校、虚構を作り上げる警察、虚実の家庭。
それぞれの聖域に凪子が切り込み真実を見つけることができるか？

最後の一行に吃驚仰天！先生ここでおわりですか？！