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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2025/03/19 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


コミック

メダリスト12

著者:つるまいかだ

出版社:講談社

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メダリスト12

主題歌BOW AND ARROWのMVがかっこ良すぎて長い間気を失っていたようです…ふわわわ…。

今、アニメも大人気の「メダリスト」。
1巻を読むともうどうにもたまらなくて全巻大人買いしてしまいました!新刊も出た!嬉しい!!
アニメもめちゃくちゃ素敵です!!
そしていうまでもなく主題歌が…ッッ…!!キャアアア…!!

フィギュアスケート。
メダリストを目指して進むその道はとてつもなく険しくつらく恐ろしく見えます。
そして一人では決して進めない世界です。
スケートクラブ、コーチ、レッスン、スケートリンク、靴や衣装や果てしなくつぎ込まれる時間。本人のだけじゃない。
いのりちゃんの「掴みたい」という気持ちと、お母さんの「傷つけたくない」という思いに涙が溢れたし胸が凍る思いがした。
ひとつの傷もつかないように、いばらの道に立ち塞がりたい。
それなのにあの子は、傷つきたいって、いや暖かい場所から出て、冷たい氷の上で夢を掴みたいって。
親という存在が、知らず知らずのうちに子どもに振るう「力」にいまだ怯えてしまいます。
司先生はどうして、あんなにいのりちゃんを信じ、いのりちゃんの気持ちを曲げずに伸ばすことが出来るのだろう。言外に滲ませることもしない。彼女に道を選ばせることができる。
そして、いのりちゃんが自分の望みを、大声で世界に求め続ける姿だけでもう泣いています。
なんでそんな怖いことができるんだろう。
そうか、彼女にはもっと怖いことがあったんだ。
夢に手を伸ばせないこと。
この物語は今までのものと違って『絆』が『呪い』に変わったりしない。
いのりちゃんと司先生を見ているとそう思えます。


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