高い塔に囚われて呪いをかけられたプリンセス…のように奇想天外な困難に陥り、ひとり孤独に苦しむ、物理学者・松崎仁。

剣ではなくピアノを振るい、白馬の代わりに愛車ヤリスクロスを駆るプリンス…ではなくピアニスト・鈴木尚美は、彼を救うことができるのか！？

もう、最高です。
松崎も尚美もかわいすぎる…っ！
冷静で整頓された文体も大好きです。その文章からにじみ出るふたりの動揺や惹かれ合う力や見えてくる心が…もう！！

そして恋には障害がつきものですが、この物語の障害は距離。
遠距離とかじゃない。たった3メートル。
でも、3メートル以上近づけなくてどうやって恋は進むのでしょうか？？
心の距離は3メートルどころじゃない、複雑でかたくなな物理学者の心。
それが見えてきた時、誰もがきゅん♪とすることうけあいです！

そういえば、電磁気力、弱い力、強い力、重力の中で、弱い力より重力の方が弱いってほんとですか？
なんかうちの最年少が言っていたんですが…何を言っているのか最初からよくわからなかったのですが、まぁそんくらい物理学がぜんぜん分からなくったって全然問題ありません。
ふたりの引き合う力について、ちゃーんと読み解けましたよ！！