孤独を持ち寄って暮らしているような『アカシアの野辺』の住人達。その傍で、雑用として働きながら、彼らの一員ではないリリカ。孤独のとなりで、たったひとりのようにもみえる。
大声で声を交し合わなくても、どこへでも一緒に行かなくても、ずっと遠い記憶の中にしかいなくても。
ほんの小さな親愛でも、ただの尊重くらいでもいい。
尊重されないのなら、わたしを守るために、ひとり沈黙の中に暮らす方がいい。
この、静かな物語を読み終えた時わたしの中の大切な『孤独』を見つけることができました。
そしてわたしの孤独にも、リリカの歌声はきっと届く。誰の歌声か、それが歌声だとも気付かないかもしれないけれど。
わたしの孤独を肯定してくれる、許してくれる物語です。
このまま生きていこうと思います。宝物のように『孤独』を抱えて。