上から目線で偉ぶっている感じがするタイトルなので私は…と敬遠されている心優しい方がいるかも知れない。でもそれはもったいない。

人を動かす＝他人を意のままに操る、と言うのではない。
職場、学校、家庭、地域などで円満な関係を築き、楽しい時間を過ごしたいと願っている人にこそ読んで頂きたい。

奇をてらったことは書かれていない。
人との接し方に関する基本的なテクニック、人に好かれる方法、自分の考えを相手に受け入れてもらう方法など、「動かしてやろう」ではなく「動いてもらおう」というスタンスである。

これまでに読んだ別の本にも同じようなことが書いてあったと思われるかもしれない。
だが原書の初版本は1936年発行。
逆に、それ以降に書かれた全ての自己啓発本は、何れもカーネギーの言葉に影響されていると言えるのではないだろうか。

その意味で『人を動かす』は自己啓発本のビートルズである。
読む価値があるとご理解いただけるだろう。