おすすめの本RECOMMEND

いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?
2025/10/08 更新
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
フィクション
百年文通
著者:伴名練
出版社:早川書房

誰よりも分かり合える、大切なあの子はどこよりも遠くにいる。
女子中学生の小櫛一琉(こぐし いちる)が偶然見つけた不思議な机。なんと引き出しに入れたものが百年前に送られてしまう。そして百年前のその机の前にいる大正時代の少女、日向静(ひなた しず)との文通が始まります。
仲良くなっていく二人に現代と百年前、同時に起こる危機。たったふたりで、少女たちは互いを守ろうと動き出す。
手紙で「今」楽しいやりとりをしているのに、一琉にとって静は遠い過去にしかいないのがせつないです。すぐそばでやりとりをしているようなのに。
そして静にとっては一琉は遥か彼方の未来なのです。夢と希望にあふれる、きらきらした世界。
未来を目に映す、静につられるように、一琉の気持ちもどんどん変わってゆきます。
ああ、ふたりのやりとりを、ずうっとこうして眺めていたいなぁ。
そしてやっぱり、時間SF、大好きです!!!
でっかい時間…でっかい感情!!抱えきれない想いがおしよせる…!!!
あとがきも素敵です。わたしの大好きな時間SFについて詳しい解説やその歴史が書かれていて、大好きなものや、これ読んだことない!のまで。
さらにさらに!特別付録「時間ガイドSF20」まで!!
2010~2025年の最新の時間SF小説が20作品も紹介されているんです!
読みたい本がめちゃくちゃ増えます。読みたい!とても時間が足りない!
とりあえずタイムループを何周かして読書時間を確保するしかないな。
あれ?タイムループって「永遠」くらい怖いと思っていたんですが、めちゃくちゃ本が読めますね、きっと。どうせ読みたい本なんて無限にあるだろうし。