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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2025/11/05 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

父の回数

著者:王谷晶

出版社:講談社

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父の回数

透明にされる関係や名前の付かない関係や目に見える法律や血で繋がれた関係。
五つの短編が収められている本です。
名前の付く関係は、強い。
血や法律で作られたその鎖の強さに慣れて、皆それに寄りかかり体重を預けぞんざいに引いたり力任せに身を投げ出したりする。その時、鎖の軋む音を聞かなかっただろうか。引かれたその先に繋がる誰かは、引きずられよろけてはいなかったか。その鎖を、重いと感じることはなかっただろうか。

そんなことをずっと考えてしまう小説です。


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