「雪女」「耳なし芳一」・・・誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。冬の夜に現れる白い女。
琵琶を奏でる盲目の僧。
どちらも日本を代表する怪談です。
これらを英語で世界に伝えたのが、外国人だったと知っていますか？
その名は小泉八雲。
英語名ラフカディオ・ハーン。ギリシアに生まれ、アイルランドで育ち、アメリカを経て明治時代の日本に辿り着いた。
およそ130年前の事。漂泊の作家。
それから日本の怪奇と美意識に魅せられ、煩雑な手続きを乗り越えて、帰化しました。

　八雲にとって怪談はただの怖い話にあらず、人の情け、自然への畏れ、理不尽な呪いの恐ろしさ。そして目に見えない世界への想像力。
それこそが世界に伝えたかった日本の心。

　本書には、怪談・エッセイ・評論をバランスよく収めた48編を収録。読むほどに静かな闇の奥から、人のぬくもりが浮かび上がります。
秋の夜長、灯りを少し落として・・・小泉八雲の世界に浸ってみてはいかがでしょう。