本屋大賞受賞作『村上海賊の娘』から十数年の時を経て、和田竜さん待望の新作がついに刊行されました。

時は戦国。丹後の守護大名、一色（いっしき）一族とその宿命の敵・長岡（細川）家の、若き武将二人の因縁の出会いから熱い戦いの日々までが語られます。

この時代は織田信長・豊臣秀吉や武田・上杉あたりにとかくスポットが当たりがちですが、周縁でこんなに大きな戦いがあったことや、戦国武将・細川忠興（ただおき）がなぜ
長岡姓を名乗るにいたったのか等々、個人的にも歴史的な知見が広がった1冊です。

そして、本書をひも解く人、みな一色五郎のかっこよさに痺れること間違いなし！
上下巻のボリュームをものともせず、結末に向け読む者の胸をたぎらせ、圧倒する本作。年末年始のお供にいかがでしょうか。