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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2025/12/12 更新

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井上いつかがおすすめする本です。


文庫

心獣の守護人3ー秦国博宝局宮廷物語ー

著者:羽洞はる彦

出版社:KADOKAWA

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心獣の守護人3ー秦国博宝局宮廷物語ー

心の闇を具現化する「鳳心具」を調査、回収する博宝局。局長・万千田苑閂と局員・水瀬鷲の凸凹コンビの活躍が…物語が…完結です!!

まず、表紙のイラストから感動します。
背中合わせで別々の方を向いた苑くんと鷲くん。
互いを思い、信じ合いながら、それぞれの戦いに身を投じて行く…。

物語はどんどん苦しくなっていきます。遠い、ファンタジーの世界だと思って開いた物語は、まるで今のこの世界の闇や苦しみそのものです。
彼らがどんなに闇を祓おうとしても、この先に救いなどないんじゃないか。わたしたちがよく知っている悪意や恨みや憎しみ。闇は闇を呼び、もう取り返しがつかないんじゃないのか。

それでも、たったひとりでも、己や互いを信じて救おうと手を伸ばす彼らを、祈るように読み進めました。
心の裏と表、本当は誰もが危うい獣を秘めている。
その力が闇となるのか、光となるのか。
弱い人間の強さを、信じたくなる物語です。

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