おすすめの本RECOMMEND
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?
2026/05/22 更新
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
フィクション
そうだ、君を憎めばいいんだ 愛と殺意と七つの条件
著者:桜庭一樹 斜線堂有紀
出版社:河出書房新社
真っすぐでピュアな憎しみ。
憎しみってそうか、よく考えたらあんなに重く深くまじりっけなく一心に誰かのことを思う気持ちだったって、今まで自分が抱いた過去の憎しみがちょっと愛おしくなりました。本来は思い出したくもなかったようなことでも。あの時、あの気持ちはどうしても持たなくてはならなかった。
著者2人が決めた〈7つの条件〉をお題に書かれた競作小説集です。
2つの物語がどこか同じ世界線にある?別の物語なのに心地よく繋がって感じる…と思って読んでいたら、後の「解題」のページでそういうことなんだ!うわぁっ…と心がめっちゃときめきました。共通の設定やキーワードを元に書かれたふたつの小説はやはり対になっている!双子だ!
どのお話もとても切なく悲しく苦しいのに、物語の中で憎しみという思いが遂げられたり、永遠になったりする。それがまるでハッピーエンドのように思ってしまいました。
夢中で読んだのですが、どのお話もめちゃくちゃ怖くて、一編読む毎に、こわいよーこわいよーと本を置いて部屋をうろつきまわってしまいました。
憎しみが生まれるところを見てしまった。何もないところから生まれはしない。
大好きな桜庭一樹さんはもちろん最高だったし、斜線堂有紀さんは最高で大好きになりました!
怖さやせつなさの手触りが全然違って交互に読んでもうやみつきです…。
