おすすめの本RECOMMEND
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?
2026/10/19 更新
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
フィクション
希望の子
著者:一穂ミチ
出版社:文藝春秋
子どもを産んでから時々考えるようになったこと。
生まれることを子どもたちは選ぶことができない。
生まれる日や場所を選ぶこともできない。「反希望クラブ」のみんなのように生まれた日を背負わされる人もいたり、そうでなくても周りからの何かを背負わされて、期待に応えようと振る舞ってしまうことがあるのかもしれない。
そんな愛や絆や奇跡や期待を、うっとしい、関係ない、と軽やかに脱ぎ捨てて欲しい。
親が子どものためにと無自覚に振るう『愛』がいつもおそろしいです。それによって子どもは親の望むように振る舞ってしまう。そして愛を繋ぎ止める力で、自身の親からの価値を計ろうとしてしまう。とてもこわいです。
この物語を読んでいるうちにわたしの心の中に何か解けていくものがありました。奥底にあって忘れているくらいの、けれど根の深くてどうしようもないと思っていたものが。
みんな、背負わされた「希望」を脱ぎ捨てて、身軽になって歩いていって欲しいです。
