英国の中学校に通う息子が差別・貧困・LGBTなど様々な社会問題にぶつかりながらも成長する姿を母親目線で描いた『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)がベストセラーになっています。その著者・ブレイディみかこさんのデビュー作が本書です。
　セックス・ピストルズに感化されパンクロックに目覚め英国に移り住み、労働者階級の生活を目の当たりにして感じたことを赴くままに綴っています。観光ガイドには絶対に出てこない生々しい英国の姿が赤裸々に描かれ、それを笑い飛ばすかのような著者の逞しさは、まさにパンク！英国ロックに詳しくない方でも痛快な英国社会論として読むことができますが、お好きな方には堪らない１冊かと。『ぼくはイエローで～』をお読みになってから本書を読むと、著者の価値観の変化にも気づくことができると思います。