小学校の「図工」は好きだったのに中学校で「美術」が嫌いになる子が多いそうです。描画や美術史暗記を定期試験に繋げる「技術・知識」偏重型授業スタイルがその元凶とも言われています。２０世紀の代表的作品をもとに「アート思考とは何か」を、美術嫌いになる分岐点とも言える中高生へ解説する授業風にまとめたのが本書です。
マティス・ピカソ・ウォーホルらが既存の常識や枠組みを打ち破っていく過程を学ぶ中から、表面的な正解を追う事より、好奇心に基づき自らの考えを深く掘り下げる事の重要性を説いています。複雑多様化し正解が見つからない昨今のビジネスの世界でも「アート思考」は役に立ちそうです。
美術館に日本人は「安らぎ」を、欧米人は「非日常的な刺激」を求めるとのこと。ぜひ本書で新たな刺激を得て「自分なりの考え方」を取り戻すキッカケにしてください。