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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2007/07/14 更新

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井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

青い目のねこ

著者:エゴン・マチーセン

出版社:福音館書店

青い目のねこ

本当はそうではないのに、日々の生活がまるで行き止まりのように感じてしまう時があります。そんな時にわたしはこの絵本の事を思い出します。
この絵本の主人公である青い目のこねこは、ねずみのくにを夢見て冒険を始めます。ところがねずみのくにはなかなか見つかりません。途中出会った五匹の黄色い目のねこ達から、彼らが五匹がかりで探してもねずみのくには見つからなかった。と聞くと、青い目のこねこはねずみのくにを探すのを諦めてしまうのです。
夢を諦めて、青い目のこねこはこれからどうするのだろう。心配しながらわたしは次のページをめくります。するとそこには、

ある日、こねこは、「おもしろいことをしてみよう。なんにもなくても、げんきでいなくちゃいけないもの」と、おもいました。

という文章と、青い目をまんまるに見開いて、にんまりと笑うこねこの顔。身を乗り出すかのような姿の絵は、まるでわたしの顔を覗き込んでいるよう。
「きみはなにか、おもしろいことしてる?」
そんな声が聞こえてきます。
そして、その次のページのこねこのやっていた事といったら!
他のねこ達が全くおもしろがらなくても、青い目のこねこは自分の感性や考え方を信じています。多勢に無勢でも全然ひるんでいない。
他の人から見ると、つまらない事でも、何でもおもしろがってやってみる事は大切ですね。
ユーモアとポジティブシンキング。
わたしも、青い目のこねこの真似をして、時々いつもと違う事をやってみます。いつもの日々を、少し違って見られるように。
帰り道を、別ルートにしてみるだけでもささやかだけれど非日常。
スクーターで切って走る風が、桜の花びら混じりだったりして、キンモクセイや潮の香りだったりすると、ちょっとわくわくします。季節は毎日少しずつ変わっていて、同じ日なんて一日もないんだから。

おもしろいことをしてみよう。なんにもなくても、
げんきでいなくちゃいけないもの
ささやかな事にしあわせを感じながら毎日を過ごして行きましょう。
いつの日か、ねずみのくににたどり着く日を信じて。

※どうしても、おもしろい事が見つからない時は、ぜひ「あおい目のこねこ」を読んでみて下さい。実はものすごく笑える本です。シュール?なコメディな感動ロードムービー?なナンセンス教訓絵本です☆

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