おすすめの本RECOMMEND

KEIBUNSHA

いつか読書をする人へ

いつか読書をする人へ

井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2007/11/13 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

あしながおじさん

著者:ジーン・ウェブスター

あしながおじさん

長いドライブの途中、彼氏に言われていつも困ってしまう事があります。
「何か面白い話して」
そんな急に言われても!!
「じゃあ、最近読んだ本の話でもいいよ」
よし来た!それならいくらでも話す事が出来ます。
「わかった。じゃあ昨日読んだあしながおじさんの話をしてあげるね」
「・・・あしながおじさんはいいよ。」
「え?あしながおじさんの話、聞きたい?」

「・・・・・・はい。」

それからわたしは延々とあしながおじさんのストーリー解説を始めます。ジュディの手紙だけで語られるストーリー展開の素晴らしさや、ジュディの明るさ、人生への前向きな姿勢、悲しみを笑いに変えるユーモアなんかを。クライマックスを語る時には、ほとんど涙ぐんでいます。
それを、興味無さそうに相槌を打つ彼氏。おかしいな~、この名作に感動しないはずないのに。わたしの説明が足りないせいでしょうか。きっとそうだ。そしてまた延々と、細かいシーンやセリフの再現を語るわたし。ほとんど消え入りそうな声で相槌を打つ彼氏。話しがやっと終わると、彼氏はものすごくほっとしたようでした。
「じゃあ、今度は俺が○○○の話をしてあげようか?」(○○○は彼氏の趣味の話です)
「絶対、イヤ!聞きたくない!」
と、わたしはもちろんきっぱりと拒否します。
人の趣味の話を延々と聞かされるのって面倒ですよね。
反対に趣味の話しを延々としゃべるのは、とっても楽しいですよね。
人生はいつでも不公平なものなんです☆(彼氏のみ)

おすすめの本一覧へ