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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2009/07/14 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

くちぶえカタログ

著者:松浦弥太郎

出版社:ブルース・インターアクションズ

くちぶえカタログ

 暑い、暑いですね!!

 今までずっと山の奥に住んでいたので引っ越して以来びっくりしどおしです。夏がこんなに暑いなんて。
 今までいた所は冬になると家の周りだけ雪が積もる事が時々ありました。「雪が降ってバスも来ないので遅れます」と職場に電話をすると「ええ?雪!そんなの降ってないよ」と言われてしまいます。仕方がないので証拠を残すために周りの雪景色や、バスを待つ間に作った雪うさぎ(なんてんの実と葉で目と耳を作るあれです)やなんかを写メに撮って啓文社にたどり着くと店長に見せて言い訳をしていました。(ほんとに家の周りは積もったんですってば~!)

 ふふ、少し涼しくなったので、本の話をします。

 二度、三度と同じ本を読むのが好きです。
 家の外で本を読むのも。
 そうすると、再読した時に初めてその本に出会った時の事を鮮明に思い出せるからです。
 季節は秋で、風が少し冷たくなり始めた頃で、川べりに敷いたレジャーシートに寝転がって読んだ事。
 枯草のちくちくと遠く淡い色の空。
 おひさまがまぶしくてなかなか文字を追えなかった。
 この本はさまざまな風景を切り取った短い旅の物語が集まった本なのですが、見えないページにあの秋の風景も描かれているような気がしてきます。
 次に読んだ時もきっと思い出す。
 こんな風に本の中に思い出を挟み込んでおくのがとても好きです。

 そういえば、初めてこの本に出会った時はわたしのものじゃなかったのに。
 今ではわたしたちの本棚に落ち着いています。
 君も、こんな所に越してきてさぞ暑かろうねぇ・・・。

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