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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2009/07/23 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


コミック

ぼくトンちゃん

著者:いましろたかし

出版社:エンターブレイン

ぼくトンちゃん

 本を読むのが大好きです。
 小さい頃からずっと好きで、大人になり本を売る仕事に就きました。今まで知らなかったいろいろな事に触れ、またさらに本を読む事と、本を売る事が大好きになりました。
 今回売り手からまた読み手専門になる事になりました。これからも、むしゃむしゃぱくぱくと本を読み続けてゆきますのでよろしくお願いいたします。

 家に、昼間、ひとりきり。
 こりゃ、本を読むっきゃない!という訳で、一日中本棚をひっくり返して過ごしています。いわば山籠り?修行の日々だわ!と思いこみ今日はこのコミックを読み返しました。

 仙人の住む山で厳しい修行に励むのは、人間、牛山五郎とくまの子トンちゃん。
 牛山の闘うべき悪とは牛山自身の心でもあって、それはつらく、先の見えない苦しい修行です。うつうつと悩み、落ち込む牛山。あんまり明るい内容ではないのですが、読み終えると静かな気持ちになれます。周りの風景がいつもより美しく見えてくる不思議なコミックです。落ち込んだ時には、無理に明るい音楽を聴くより、悲しい歌を聴いた方がストレスか軽減される、というのに似た効用があるのかもしれません。
 人生に真摯に取り組む牛山。素敵だ。
 くまのトンちゃんは最初から最後まで完璧にかわいいし。

 読み終えるとなんだかおにぎりが食べたくなってしまったのでこれからちょっとこさえて食べます。
 やっぱり、中に入れるのは梅干かな。

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