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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2009/08/28 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


文庫

説得

著者:ジェイン・オースティン

出版社:筑摩書房

説得

 自分の大好きな小説をここで紹介するのは自分の内面をさらしてしまうようで少し恥ずかしい時があります。あまり思い入れの強いものはここにはめったに紹介しません。
 でも、いつもいつも読んでしまっているので、時々は紹介しなくては。

 実は、オースティンの小説が大好きな読書乙女です。

 昨日もついうっかり『説得』を開いてしまい最後まで止められなくなってしまって読み終えた時には、夫が帰宅する30分前、炊飯器のスイッチも入っていない!という危機的状況に追い込まれてしまいました。焦った・・・。
 以前は、オースティンの小説の中では『自負と偏見』のエリザベスが断然好きなヒロインでした。『説得』のアンはおとなしくて少し冷たい人のように感じていました。でも、読み返してみると、アンは冷たくて弱いのではなく、冷静で、感情に流されない知性のある強い女性だったんだ、ということがやっと分かってきました。
 結婚を目の前にしてあんなにも冷静に判断したアンは、情熱のない、弱い人ではなかったんだ・・・互いの情熱だけではどうにもならないことって多いですね。
 次に読み返した時は、またどんな印象を受けるか楽しみな小説です。

 先日読み返した『エマ』の主人公エマは今、一番説教してやりたいオースティン小説のヒロインです。人の恋路へのおせっかい!10代の頃はそんな余計なお世話を、女の子ってやってしまいがちですよね。わたし自身のそんな思い出もフラッシュバックしてしまい、恥ずかしくてじたばたしながら読みました。今はドタバタラブコメディがしっくりこない気分のようです。

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