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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2009/09/26 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

廃墟建築士

著者:三崎亜記

出版社:集英社

廃墟建築士

 この本には四つの建物が出てきます。
 「建物」という容れ物と、その内にあるもの。三崎亜記の小説は「町」のような大きなものから、ひとつの部屋まで、さまざまな容れ物が描かれています。
 読み終えると、わたしたち人間も身体という容れ物と、その内にあるもので存在していることをくっきりと感じられるようになります。
 そういえば、「本」もひとつの容れ物ですね。蓋を開けると「物語」という大きな世界が閉じ込められています。

 
 この本は、実は図書館で借りたものなのですが、中に「図書館」という短編が入っていて、読み終えて以来、さりげなくこの本の動向を窺ってしまいます。
 もしかして、もしかするとこの本も夜中になると図書館の野性を取り戻してわたしに襲いかかって来るんじゃないか・・・?と、毎晩どきどきわくわくしています。
 今の所、ちっとも動きだす気配がないので、つまらなく思っています。ちぇ。

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