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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2009/10/29 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

一角獣・多角獣  異色作家短篇集3 

著者:シオドア・スタージョン

出版社:早川書房

一角獣・多角獣  異色作家短篇集3 

 SF小説を読み終えた後は、いつも一切のやる気が抜けてただただぼんやりと過ごしてしまいます。
 SFの世界では時間はいつもと違って伸びたり、縮んだり、途方もなく広がったり、止まってしまったりします。
 わたしが日々過ごす1日24時間は限られたものだけれど、SF小説を読んだあとの少しの間だけ、時間と宇宙の大きさに圧倒されながら、無限の時間のほんのちょっぴりをぼーっと無駄遣いするのが至福の時です。贅沢だなぁ・・・。

 この短編集は儚くてきらきらしたものと、ぞっとするような薄気味悪いものと、交互に出てくるので頭が振り回されるような気になりました。
 今、目次を開いて特に気に入った話を書こうとしたのですが、最初から6番目までを全部選んでしまった所で書くのを止めました。10編の物語、全部が特に気に入っています。その中でも特に良いのは「一角獣の泉」と「熊人形」と「ビアンカの手」と・・・あ、やっぱり全部選んでしまいます。

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