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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2009/11/10 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


コミック

WATCHMEN

著者:アラン・ムーア/デイブ・ギボンス

出版社:小学館集英社プロダクション

WATCHMEN

 DVDでウォッチメンを観ました。
 音楽の使い方がかっこ良くて面白かったね。と夫に言うと、本当のウォッチメンは、こんな爽やかなものではない。原作のコミックを読まなければウォッチメンを真に理解した事にはならない!とあまりに強く薦めるので、読んでみました。原作コミック。

 ・・・確かに・・・違う!!!

 映画は、過ぎ去ったヒーロー黄金時代へのノスタルジーと、人間の正義への理想と現実世界に対する無力さ。弱さゆえの人間の愚かさが描かれていて、観終わった後、せつない気持ちになりました。
対して、原作コミックは、人間のもっとどうしようもない醜さ、美しい理想も全てそれぞれの自分勝手な都合を正当化する為の建前で、その理想を語る事で、自分の狡さから目を逸らしている。言い訳と嘘ばかり。あの悪党コメディアンが、開き直っているだけいっそ清々しく見えるほどでした。読み終わった後、いや~な気持ちになりました。


 ストーリーや細かいエピソードは全く一緒なのに。セリフもほとんど一致するくらいです。
 この感じ方の違いは何でしょう。凄い。
 映画を気に入った人は、無理に原作を読まない方がいいかも・・・。
 まぁ、それぞれ面白かったのだけれど。

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