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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2009/12/14 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

犬はいつも足元にいて

著者:大森兄弟

出版社:河出書房新社

犬はいつも足元にいて

 ページをめくり、誰か新しい人物が現れるたびに「・・・え?」と、何度も読み返してしまう本でした。

 すんなり受け入れられ、のみ込めてしまう人間は(犬を含め)ただ一人も出てきません。そのせいで、いつも本を読みながら無意識のうちにいつも先を予想している事に気付かされてしまいます。
 なんだか、皆、見方によっては酷い人間ばかりなのですが、嫌悪感は感じません。本物の、生きている人間はこんな風だよな。こちらの思い通りには絶対にならなくて、良い、悪い。好き、嫌い。とはっきりどちらかに分類してしまうのは簡単ではありません。

 著者の大森兄弟は、完全に合作されたそうです。ページによっては一行ごとに交互に書くようなスタイルで、どうやってあのくせのある人物達をブレる事なくリアルに描けるのでしょうか?
 不思議でなりません。
 

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