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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2010/02/26 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

DINER

著者:平山夢明

出版社:ポプラ社

定価:1,575円

DINER

 待ち人が、なかなかやって来ません。

 待ちくたびれてしまい、今までストックしてあった本に次々手を伸ばしています。しばらく控えていたコーヒーとチョコレートと共に。
 ああ楽しい、至福の時間。
 わたしの楽しみといえば、読書とコーヒーとチョコレート、というささやかなものなのだから控えるように言われると困ってしまいます。とはいえ、わたしの好む本の、心身に及ぼす悪い影響の可能性と、結婚前に嗜んでいた一日のコーヒー量、サーバーになみなみ一杯、チョコレートは板チョコに換算すると一~二枚分・・・を考えると、控えなければならないのももっともかなあ、と思います。

 本を読んでいて、その描写におなかがすいて食べたくなる、という事は多くありますが、この本は食欲をわかせ、次の瞬間には食欲を失せさせる、世にも珍しい本です。
 かぶりつきたくなるバーガー→惨殺死体→甘く香り立つデザート→身の毛もよだつ拷問→・・・という感じで美味と暴力が替わりばんこに訪れます。なぜだか、そのどちらにも愛を感じる不思議な物語です。

 ジョニー・トー監督で映画化(ミッション非情の掟、エグザイル絆、などおすすめです)されたら素敵だろうなあ。
 しかし、映像にするにはグロテスクな表現が過ぎるかもしれません。

 基本的にずっと血みどろ☆な内容ですのでお気をつけくださいませ。

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